What's NEW LIFE go index

北欧でいま何かが起きている?

〜 デンマークとスウェーデンのアートに見い出す、
わたしたちの新しい生活、新しい未来 〜

 デンマーク、スウェーデン、ノルウェイ、フィンランド、アイスランド、といった北欧の国々--と聞けば、白夜、オーロラなど広大な自然と少ない人口、世界に名だたる高福祉などがイメージされます。と同時に、そこで育まれた、モダンで洗練された建築・デザイン・工芸の素晴しさも、既によく知られています。しかし、その一方で、現代美術の分野での活動は長いあいだヨーロッパの周縁的な位置に置かれ、日本に紹介される機会もわずかでした。

 「北欧のアートが面白い!」--世界のアートシーンでそう囁かれ出したのは90年代半ばのこと。事実、その頃から北欧のアートは急激な変化を見せ、斬新なヴィデオやインスタレーションなどを試みる若いアーティストが続々と現われてきたのです。そして、新鮮で自由な彼らの表現は、主にヨーロッパでの国際展を通して世界的な注目を集めるようになります。

 たとえば、身障者をテーマにした強烈なインパクトのコンピュータアニメーションを制作するマグナス・ヴァリン(スウェーデン、'65年生まれ)、アフリカで燃料用有機ガスの開発プロジェクトを行うスーパーフレックス(ユニット名/デンマーク)、アートと家具のちょうど中間に存在するような生活道具を制作するN55(ユニット名/デンマーク)など、彼らの作品の多くは他には例のない、とてもユニークなものです。

 個々人のリアリティに基づきつつ、様々な活動を繰り広げている彼らですが、そのなかにはある共通点を見い出すことができます。ひとつは、インターネット、デジタル技術、テクノ、レイヴなどテクノロジーが可能にした新しい体験を背景にしながら「では、私達はこうした環境の中でどう暮らしていくのか」という課題をめぐって、社会の現状への批判やコメントだけでなく、エネルギッシュに具体的なイメージ・提案を提供したり、実際にアクションを起こしていることです。

 北欧のすぐれた建築・デザインは、つねに環境と一体化した人間の生活、新しい未来の提案でもありました。現在の北欧のアートも、テクノロジー時代以降の人間のあり方を問いかけているように思えます。そして、それは日本、また東京の課題とも大いに重なるものでしょう。この『NEW LIFE』展を通じて、北欧のアートの第一線を担う彼らの活動に目を向けるとともに、東京という巨大都市に暮らす私達の生活をあらためて考え直す機会となれば幸いです。

 なお、スウェーデンとデンマークから参加する11組のアーティストはすべて、今回が日本での初めての展覧の機会となります。

 

back to index戻る

Copyright (c) Scandinavian Art Show Committee, 1999
Designed by studio muse